なかなかヨーロッパに行けなくてヨーロッパ旅行の禁断症状が出ている人にヨーロッパ不足を補うサプリメント。
ジャンルも雰囲気も雑多に取り揃えたので、お気に入りを見つけてくださいね。
Contents
イギリスが舞台の漫画
『エマ』
現在『乙嫁語り』を連載されている森薫先生の商業誌デビュー作。
最初の方は少し絵に拙さがあるのですが、話が進むのと一緒にどんどん絵がこなれていき、圧倒的描き込みと美人とイケメンのキャラたちが画面を彩ります。
『エマ』のあらすじ
もちろん、階級社会のイギリスでメイドと上流階級の家の長男とでは簡単に恋は実りません。山あり谷あり。
しかし、階級社会が作り出す影に飲まれることなく、しなやかに進んでいくエマの姿が美しく、応援したくなります。
くっついたり、離れたり。さまざまな困難を経験し、最後は…?
『エマ』の魅力
ファンタジー世界のロンドンではなく、当時のロンドンを忠実に描いています。町並みや服装、髪型、調度品、文化などなど。
当時のロンドンを再現した博物館を訪れている気分を味わえます。
キャラクターが深く掘り下げられているので、登場するキャラクターみんな大好き。
みんなイキイキと漫画の世界に存在しています。
それぞれのキャラクターの喜びや悲しみ、怒り、葛藤などという感情がとても納得できる心理描写。主人公たちの恋路を邪魔する人たちにもそれぞれに大切なものがあり、それゆえの思惑があったり、苦しい胸の内があったりで嫌いになれません。
『黒執事』
言わずと知れた人気作、『黒執事』。
枢やな先生の美麗イラストが見られるだけで眼福。
『黒執事』のあらすじ
伯爵家が持つ裏稼業、シエル自身の過去、悪魔とは別の人ならざる者である死神…とさまざまな要素が重層的に重なり合い、読者を引き込む先の読めないストーリーが展開します。
ストーリーは章ごとにまとまっており、一つの事件が解決するごとに物語の核心へ近づいてはまた謎が生まれというように、読者をやきもきさせます。
ダーク・ファンタジーにサスペンス要素も多分に含まれているので、グロテスクな描写や人死が数多く出てきます。
苦手な方は要注意です。
『黒執事』の魅力
切り裂きジャック事件やタイタニック号沈没といった現実にあった事件にインスパイアされた章があったり、イギリスらしい寄宿学校が舞台の章があったりとイギリスが舞台であることが十分に生かされています。
描画技術が高く、キャラクターや背景、小物などすべてが美しい。
特にキャラクターの衣装には人一倍のこだわりが見て取れます。
『憂国のモリアーティ』
みんなが知るシャーロック・ホームズ。彼の宿敵を主人公に据えた、アニメも放送された人気の漫画。
もちろん、舞台はロンドンです。
『憂国のモリアーティ』のあらすじ
腐敗したイギリスを変えようと犯罪のコンサルタント業を行う主人公が兄弟や、仲間とともにロンドンを舞台に犯罪物語を演出し、シャーロック・ホームズはその解決役として引っ張り出されることになります。
原作でおなじみのシャーロック・ホームズやワトソン博士はもちろん、ハドソンさんやレストレード警部といった面々もしっかり本筋に出てくるので、原作を知っているとより楽しめます。
『憂国のモリアーティ』の魅力
主人公とシャーロック・ホームズとの間で繰り広げられる知能戦が魅力。
国を巻き込む犯罪をたくらむ主人公たち「犯罪卿」の思惑とそれを追うホームズの上質なサスペンスドラマが楽しめます。
当時のイギリスが抱えていた闇を前面に押し出したストーリーなので、過去のイギリスをのぞいているみたい。
イケメンが多くて、これもまた心臓に悪い。
『薔薇王の葬列』
2021年の秋にアニメ化が決まっています。
『薔薇王の葬列』のあらすじ
シェイクスピアでのリチャード3世は醜悪な容姿だったとされているが、この漫画では彼を両性具有として描き、苦悩、葛藤する姿を描いています。
ヘンリー6世の精神疾患や敬虔なキリスト教徒だったところも少女漫画にきっちり落とし込んであり、歴史を描く漫画でありながら、少女漫画として成立させているのが凄い!
『薔薇王の葬列』の魅力
主人公のリチャードが妖艶な美しさを持ったキャラクターで、画面全体としても耽美なイラストで世界観に引きずりこまれます。
バラ戦争の時代はだれもいい思いをしなかった悲劇的な時代。物語のどの場面でもハッピー展開がほとんどないので、気持ちはどんどん沈みます。
でも、それがまた魅力。
少女漫画らしく登場するキャラクターは美形ばかり。悲劇的な美形、苦悩するイケメンを愛でられます。
15世紀が舞台なので、現代のイギリスの面影を感じることは難しいですが、激動のバラ戦争期を学ぶ題材としては優秀。もちろん、フィクションとして脚色されている部分はありますが、大枠をとらえるには充分です。
次回のイギリス旅行のときに役立つかも!?
イタリアが舞台の漫画
『ARIA』
かわいいイラストと心が温まるストーリーは日々の疲れを癒してくれます。
原作漫画やアニメが完結してからずいぶん時が経ちましたが、最近、新章の映像化がされました。
『ARIA』のあらすじ
主人公の「あかり」が頑張り屋さんで絵のかわいらしさやストーリーの温かみと合わさって、心がほっこりするストーリー。
『ARIA』の魅力
舞台となっているヴェネツィアの絵になる風景画随所に盛り込まれ、ヴェネツィアに自分も住んでいる気分になれます。
まさに「漫画で旅する」と言うにふさわしい作品。
カラーイラストをたくさん詰め込んだイラスト集が数冊発行されています。
漫画ではモノクロになってしまっていた扉絵がカラーで楽しめ、まるでヴェネツィアの写真集のよう。
『NGライフ』
花とゆめで『暁のヨナ』を連載中の草凪みずほ先生の前作。
ヨナよりも軽い雰囲気のストーリーで、歴史風味の現代ラブコメ。
主人公の残念なイケメン感がひどいw
『NGライフ』のあらすじ
しかも、この前世での知り合いが3人だけでなく、主人公の両親、ご近所さんのいとこなどなど。主人公の頭の中では前世の記憶と現在の記憶がごっちゃになって、大混乱。愉快な日常を送っています。
少女漫画らしく、恋愛でのハッピーエンドなので、読後感がいいです。
『NGライフ』の魅力
古代のポンペイの様子を少女漫画という媒体で気軽にのぞくことができます。
読んでからイタリアにあるポンペイの遺跡を訪れたときには敷地の奥にある円形闘技場まで行きたくなること必至です。
過去編は奴隷がいたり、命をかけた剣闘士の仕事を主人公がしていたり、シビアな階級社会だったりと、結構シリアス展開で最後にはみんなベスビオ火山の噴火で死んでしまいます。
しかし、現代がそんな重ためな古代ポンペイを吹き飛ばすようなラブコメ主体で進んでいくので、頭空っぽにして楽しめます。
随所にちりばめられたギャグやデフォルメキャラでの顔芸で笑わせてくれる一方、時たま見せるカッコいい表情、セリフのギャップ萌え。
全9巻と長すぎず、テンポがいいので読みやすいです。
『アルテ』
時代考証がしっかりしていて、習慣や衣装、調度品などが中世を感じさせます。
パン屋さんがパンを売るお店じゃなくて、持ち込んだ生地を焼くお店だったのには感動しました。
最近アニメ化されたばかり。
『アルテ』のあらすじ
絵を描くことが大好きなアルテは貴族ではありましたが、父を亡くしてしまいます。女では家督を継ぐことができず、貴族との窮屈な結婚を拒んだアルテは貴族の生活を捨てます。
画家として身を立てようとしますが、当時は男社会。実力があっても親方に弟子入りすることすらできません。
なんとか一人の親方に弟子入りさせてもらったアルテがしっかり前を向いて、自らの足で画家として成長していく物語。
『アルテ』の魅力
苦境に立たされながらも、前向きに努力する姿は見ていて気持ちよく、尊敬できます。
歴史的な史実に基づいたストーリーではないので、フィクションならではの漫画として楽しめるストーリー、魅力的なキャラクターが描かれます。
フィレンツェやヴェネツィアの当時の風俗や文化を学べる一方で、今旅行で行っても見ることができるような街並みも楽しめます。
ルネサンス期の豊かだったイタリアの都市から連綿と現在まで受け継がれてきたものを感じて感慨深いです。
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