ヨーロッパに旅行行けないし、行けるようになったときのために歴史の勉強したいなぁ。
まずはキリスト教の勉強したら?ヨーロッパの歴史とは切っても切れないし。
観光で教会に行くのも好きだし、いいかも。
教えてください!
キリスト教の成立から広がり
キリスト教の誕生
パレスチナで産まれたイエスが布教した教えがキリスト教の始まり。
地中海の東側。
へー、ヨーロッパじゃないんだ。
現在のヨーロッパではないけど、当時ここに住んでいたユダヤ人たちはローマの支配を受けていたんだ。
古代ローマの頃は政治・経済の中心だった。
イエスの説く貧富の差のない神の愛と隣人愛という普遍的な愛はローマに支配され、貧困に苦しむ貧しいユダヤ人たちに広く受け入れられた。
イエスは当時のユダヤ教の祭司やパリサイ派を形式主義だと批判していたため、イエスの支持者が増えていることに危機感を覚えた祭司やパリサイ派に疎まれ、ローマに対する反逆者として訴えられて処刑されてしまった。
知ってる。十字架に磔にされたんだよね。
『フランダースの犬』でネロが見たいと言っていた祭壇画の一つ。
処刑の3日後、イエスは復活したという奇跡が弟子たちの間で信じられたことでイエスは神格化され、キリスト教は成立していった。
キリスト教の広がり
ペテロやパウロといった使徒たちによって、伝道活動が始まった。
ユダヤ教の選民思想を克服していたキリスト教はユダヤ人以外の人々にも広く布教され、3世紀ころには奴隷や女性のような社会的弱者を中心にローマ帝国全土に広がった。
ユダヤ教の選民思想って?
ユダヤ教の唯一神、ヤハウェとの契約を守るユダヤ教徒だけが救われるという考え方のこと。イエスはこれを否定して、だれもが神の愛を受けられると説いた。
ローマ帝国のキリスト教迫害から国教化へ
暴君ネロのキリスト教迫害って聞いたことあるけど、これはいつなの?
ネロ帝はパクス=ロマーナというローマ帝国が反映していた時代の皇帝。在位は54年~68年で、キリスト教の迫害をしたのが64年。なお、イエスが処刑されたのは30年頃と言われている。
ローマ神話って聞いたことある。確かに、神様たくさん出てくるよね。
ヴィーナスはギリシャ神話のアフロディーテに対応するローマ神話の女神のこと。
ローマ皇帝も神の一人として崇拝されていたいたが、キリスト教は一神教であり、絶対唯一神を信じているため皇帝礼拝を受け入れなかった。
キリスト教徒たちは反社会集団とみなされて、ネロ帝の迫害(64年)からディオクレティアヌス帝の大迫害(303年)までずっと激しく迫害されていた。
しかし、迫害されてもキリスト教はローマ帝国内で拡大し続けていた。
そして、とうとう313年にキリスト教はローマ皇帝コンスタンティヌス帝のミラノ勅令によって公認された。その後、ローマ帝国の国教にされることになる。
キリスト教を迫害し始めたころのローマはどんどん領土を拡大し、繁栄を謳歌していた。また、皇帝の権力も絶大だった。
しかし、3世紀ころには財政が行き詰まり、大帝国は内部分裂の危機を迎える。
支配領域が広すぎだもの…。
ガタガタになったローマを立て直す手段の一つとして一大勢力になっていたキリスト教を利用しようという風に考えを改めたんだと思うよ。
ローマ帝国に公認された後もキリスト教は帝国の保護下で勢力を拡大したが、それと同時に帝国の支配下で皇帝に干渉されるようになっていった。
キリスト教を味方にしてローマはまた繁栄したの?
以上の点を念頭において、「ヨーロッパ旅行が少しでも楽しくなればいいや」と軽い気持ちで読んでいただけると幸いです。